過剰な肉芽形成をどうするのか??
これは、先記事の「猫の皮下膿瘍処置に麻酔は必要か??」の続きと考えてもらっても良い…。かなり、専門的な表現が出てくるので、分かる人は分かるし、分からない人には、全く分からないかもしれないけれど…。何かの参考になったら、と思うのでアップしておく。
創傷治癒の処置の過程で、上皮化は進んでいるものの、過剰に形成された肉芽組織に頭を悩ませることがある…。この時に、先の記事でも紹介したように、ハイドロサイトの被覆で落ち着くこともあるし、ステロイドの軟膏を使用して再度上皮化が進むこともある…。
しかしながら、創傷面にポッコリと膨れ上がった肉芽組織と言うものは、案外厄介なこともあって、肉芽組織の周囲はキレイに上皮化反応があるのにもかかわらず、それ以上上皮化が進まなくなってしまう事に遭遇することがある…。
ここからは、あくまで経験上の私見的な考えなのだけれど、医学的に証明されているのかどうかも知らないけれど…。
創傷面にポッコリ膨れ上がった肉芽は、次の様な事が考えられると思う。。。①皮膚形成に必要な各種細胞が、山になった肉芽組織を乗り越えられなくなってしまう事によって起きる場合、②肉芽形成が過剰になり過ぎて、それ以降の皮膚形成反応が遅れてしまう場合…。
①の場合だと、各種細胞が山を乗り越えられるように低くするか、登る力を強くするか、によって対応可能になる…。つまり、ハイドロサイトを使用して、肉芽を抑えるような感じに治療する時が、この例になる…。もう一つの方法として、過剰肉芽の周囲に形成されている上皮化部分に、小切開を加える事により、より新鮮な各種の細胞を活性化して、上皮化を促進させることが出来る…。
これは、肉芽組織の周囲を取り囲んでいる上皮化している組織と、それに続く皮膚組織に21G針や小メスを使用して、小切開を加える…。円周上に約8ヶ所くらいの小切開を行う事が多い…。これをすることで、強制的に出血させる事、新鮮な傷を近場に作る事で、上皮化の促進につながる…。簡単に言えば、治癒に必要な各種の細胞を、強制的に出してしまうと言うことだ…。
ただし、この時に気を付けたいのが、ある程度の止血が、必ず必要で…。その後の被覆には、アルギン酸などを含有しているソーブサンなどを使用して被覆した方が良い…。圧迫止血によって、ほぼ出血が止まっているならば、ハイドロサイトやデュオアクティブでも可能…。その時の状況に応じて使い分ける必要がある…。
そして、びっくりするのが、②の場合。。。これは、治りかけ、もうカサブタにしてしまった方が、治りが早いんじゃないか??、と感じる時に多いことなのだけれど…。ここで、乾燥させて、カサブタを作ってしまうと…。最後の最後で、治癒面が美しくない…。
それをさせない時に、「ステロイド軟膏」を少量つけてから被覆すると…。不思議な事に、肉芽が落ち付き、上皮化が再開することがある…。仕上がりも美しくなる…。これは、一度やってみないことには、理解出来ないと思うから、機会があれば一度試してもらっても良いと思う。。。
これらの事は、例えば、肥満細胞腫のオペの後…。マージンを広げすぎたために、縫合面が開いてしまった時にも使える方法で…。ダリエ徴候を示しているような傷口でも、上皮下させる事が出来た症例もある…。その子は、2mg/kgでプレドニゾロンを飲んでいるのにもかかわらず、上皮化をさせる事に成功したくらいなのだ…。
僕が感じているのは、「ステロイドを飲ませていたら、傷口は治らない…。」と言うのは、あんまり信用ならない…、と言うことだ…。
まぁ、この他にも、フィブリンのスプレーを局所に使ってから被覆するなどの方法があるけれど…。僕自身、使った事が無いので、なんとも言えない…。それから、自己血清から、増殖因子を多く含む部分を採取して、創傷面に乗せるとか言う方法も紹介されていたが、これも試したことが無いので、なんとも言えない…。
創傷治癒の処置の方法は、まだまだ勉強が足りないくらいだけれど…。とにかく、『傷口は乾かすな。』っと言う事は、もはや当たり前の事になりつつある…。傷口にガーゼを当てる時代は、もはや終わったと言ってもおかしくない…。
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